オペラ座の怪人
遅まきながら映画「オペラ座の怪人」をケーブル放送で観た。
ミュージカル映画は今までほとんど観たことがない。
お芝居の途中、突然歌いだすので笑ってしまうから。
笑ってしまって物語に集中できない。
もしくは歌ってないで早くストーリー展開してくれないかなとイライラしてしまう。
オペラ座の怪人ははじめて最初から最後まで笑わずに観ることができた。
イラは多少あり。
(ちなみに20年以上前、会社の近く(笹島)に劇団四季がきて、上司にチケットをもらったので
後輩とキャッツを観に行った。30分で爆睡した。チケットをくれたMさんごめんなさい。)
その容姿のため母親に捨てられ、見世物小屋で見世物にされ、殺人を犯すほどの憎しみと
悲しみで生きる、怪人と呼ばれるオペラ座の地下に暮らす人。
クリスティーヌに対する執拗さに、もうやめてと思ってしまうが、それほどの彼の孤独を想像する
とやりきれない気持ち。 (異形に生まれた彼の環境や孤独を想像できない人にはただの殺人&ストーカー男)
クリスティーヌも孤独であり、怪人は無意識にもそれを利用している感が否めない。
結局、どんなメッセージがあったのかよく分からなかった。
エレファントマンとは違い、オペラ座の怪人は娯楽色が強いようだ。
結局つくづく感じたのは、人権が謳われる時代、人権が謳われる国に生まれてよかったという
全くもって自分本位の感想。
原作が発表されたのは1909年、舞台は19世紀のフランスだというので、近代まで異形の子を
見世物にするということが行われていたのだ。
怪人は様々な能力に長けていた。
容姿がそれでなかったら才能を社会で生かすことができただろう。
ヘレン・ケラーは19世紀に生誕したが、熱病のために視力・聴力・言葉を失う。
幸いなことにヘレンの親は裕福な地主だった。
もしヘレンの障害が先天的で怪人と同じものだったら・・・
ヘレンの家がお金持ちでなかったら・・・
怪人の母親はどんな気持ちでわが子を見世物小屋に預けたのだろうか・・・
お金持ちだったら・・時代が違えば・・・
わが子を捨てるようなことはしなかっただろうか・・・
ハンデがあるなしに関わらず、無防備で生まれた子を世の中で一番に愛して守ってくれる
はずの人は親だ。
と、そんなことを考えていたら、かわいいかわいいと言って愛情いっぱいに育ててくれた
両親のことを想った。
映画オペラ座の怪人は明日にでも忘れてしまいそうな作品だったが、両親への感謝の
気持ちが薄れそうになったらまた思い出すかも。
ちなみにこの怪人(ファントム)は、原作ではエリックというちゃんとした名前がある。
姓はない。
ところで怪人の“おとん”はどうしてしまったのかな??
オペラ座の怪人の感想はある意味不適切で偏ったかも・・・でも感じたことそのまま・・・・