騙されやすい人
迷惑勧誘電話の一件で思い出したことがある。
社会人になって1年目。年下の同僚が、プレゼント引換券のはがきが届いたのでもらいに
行くと言う。タダで何かもらえるなんて胡散くさいと思った私は、帰り道が一緒だったこ
ともあり、退社後名古屋栄のビルの一室に付き合った。
貸し会議室らしいそこには簡易テーブルと椅子が置かれ、私たちの他に3人ほどのお客
(カモ)がいた。
社員は4・5名ほどで、客一人に社員一人が対応。ちゃっちいプレゼントを渡された後始
まりました・・・勧誘が。
はっきり覚えていないが、年間20万ほどの会費を払うとどこかの施設が無料で使用でき、
旅行などの割引がされるというもの。
話を聞いてると何だか得するように聞こえてしまうのが不思議で、30分ほどの説明を受け
た後、同僚は本当に契約書にサインしようとしたのだ。後ろの席では気の弱そうな人のよ
さそうな男性客が契約書らしきものにサインしていた。
横で聞いていた私は「ちょっと待った!」という感じではなくて、「ねえねえ**子、20
万あったら海外旅行にでも行けちゃうよ。使うかどうかわからないことにそんな高い会費
払う必要がある?」と冷静に話した。
社員ににらまれたのは勿論だ。
この**子は(言葉は悪いが)少し抜けたところがあって、フフフ・・と困ったように笑
みを浮かべながら態度をはっきりさせない。フフフと時々笑いながら社員の追撃を受けて
いる。
1時間以上は経っただろうか、客はもう私たちだけになっていた。社員全員が私たちを取
り囲み、無理矢理**子を引っ張って帰って行けない雰囲気を感じていた私は傍観してい
たが、やりきれなくなって真剣に引き留めにかかった。
その時、明らかにイライラしていた社員(主任らしい女性)は変貌した。
「あなたが横でごちゃごちゃ言うからいけないんでしょ!!あなたが悪い!!」
本性を出したな・・・。
「私は保護者(なんで?)ですから!こんな契約承知できません!」
押し問答(緊張で覚えていない)が少しあったあと、「もういい!帰ってください!」
と言って追い返されたのである。
帰り道、「やっぱ20万円あったら海外旅行できるもんね。フフフ・・・」と**子。
ならば、なぜ早く断らない。怒!
この時の社員は、昨今の暴*団のような集団に比べればやさしいものだった。
契約自体は4半世紀前の20万円だから大金である。どこかの社長か会長相手なら別だが、
そんなに会費を払っても有効には使えない。あきらかにインチキである。
不思議なのは、高校大学とわりと世間知らずで過ごしてきた私が、どうして胡散くさい
はがきや契約を嗅ぎ分けられたのか。プレゼントのはがきということで直感が働いたの
である。
今なら「そんなもん捨てやあ」と言うけど(笑)。
この**子と私のあざ絡みの話はまた今度ということで。
悪質勧誘電話