保護者無き者
トラジの角膜炎はやっと完治したようだ。
7日(火)の診察で「あと一週間」と言われたが、自分の判断で土曜日から点眼薬を止めている。
3月5日から3か月間も薬漬けにしてしまった。
5歳になってからチラホラと白くなってきた口の周りを見て、長生きしてねと胸が塞がる。
ところでトラジの点眼薬ステロップはステロイド系である。
ステロイドと聞くととても怖くて、ステロップ点眼薬についてネットで調べまくった。
昨年の秋に認可された日本で初めての動物用抗炎症ステロイド点眼剤だ。
検索してもたくさんヒットしなかったが、農林水産省動物医薬品検査所の「動物用医薬品等部会議事録」
なるものを見つけた。
難しいことはわからないが、動物用薬剤の認可に伴う会議の議事録らしい。
ステロップに関するページをじーっと読んでいて、ふと胸が塞がった。
薬剤の臨床試験に関する部分に、犬とうさぎを用いて検査したとある。
このうさぎや犬は角膜炎だったのだろうか・・・・。
実験のために角膜炎にされたのだろうか・・・・・。
人間の医療の進歩の陰にたくさんの動物が犠牲になっていることは知っている。
保健所からおとなしい犬が選ばれて大学病院に連れられていくと聞いた。
YouTubeにはたくさんの動物実験の実態に関する動画がアップされていて、タイトルだけでも怖くて
開けない。
現在では動物愛護団体が動物の臨床実験は不要と訴えているらしいが、不要なのか必要なのかは
私にはわからない。
ただ、犠牲になっているたくさんの動物は「人間」のためであるが、動物の治療や薬剤を作るために犠牲に
なっているのも動物らしい。
嫌がるトラジに無理やり点眼薬を投与する。
かわいそうな気がするが、この子は私たち保護者がいてどんなに幸せだろうと考える。
いつの世も、どの世界も、人間も動物も、保護者無き者は悲しい。
護ってくれる者がいない子は、今日も知らないところに連れられているのだろうか。